長瀬智也は何故凋落したのか?その3 ドラマ”おとうさん”のケース

おとうさんは、前々から決まっていた姉妹のキャストは、中谷、深田であった。後に、愛なんていらねえよ夏で、初めて一桁台を出した広末の名誉挽回策として、彼女もキャストに加わったが、それでもストーリーの散漫さを避けるため、姉妹の数としては三人、ここまでが限界である。
ところが、そこへ、かつて成功した、似たようなドラマ”オヤジぃ”の、水野、黒木の功績を大義名分として、”長女役として、もう一人”と、バーニングが介入してきたのだ。

田村の家族モノの功績といったら、広末のフラームだけではない。バーも忘れちゃならんぞ!広末が、オヤジぃの功績により、途中介入の権利があるのなら、水野や黒木を出した我々にも、その権利があるはずだ・・というわけである。

姉妹のエピソードが、これ以上分散して散漫となるのを恐れた製作スタッフは断ったが、どうしても、その圧力に抗し切れない。そこで、苦肉の策として、対抗措置として、連中の押す小泉今日子あたりと同年代である、非バーの飯島直子を担ぎ上げることとした。長女役は、すでに飯島で決定しているので、もう変更できないとして、バーからの圧力を、かわす作戦に出たというわけである。

こういうわけで、バーに対する対抗措置ということのみで、初期設定には無かった飯島の長女役が追加され、散漫さはどうしても避けられないシナリオとなってしまった。

しかし、そんなゴタゴタにもかかわらず、おとうさんは、やんぱぱとは比較にならないほどの高い視聴率=2002秋クールで、トップの視聴率という、十分すぎるほどの成績を上げたが、それにもかかわらず、期待はずれというマスコミの論調が多かった。一方マスコミは、やんぱぱの失敗にはまったく触れなかった。これはキャスト介入失敗の腹いせということのほかに、前に触れたやんぱぱの失敗隠蔽、日曜劇場のライバル、月9の、中山美穂主演作”ホーム&アウェイ”の失敗隠蔽をも兼ねていたのだ。

TBS的には、おとうさんは力を入れていたが、一方、やんぱぱはやっつけ仕事、いわゆる”流し”・・・これは、誰の目にも明らかなのだが、マスコミがこれを認めると、加藤、後藤はじめ、バータレは、業界や世間の、誰一人として期待をしていない小物、逆におとうさん出演者は、誰もが期待している大物・・という事実を認めざるを得ない。何しろ”期待はずれ”という言葉は、期待されている者にしか使えないのだ。おとうさんがそうであるから、当然、出演者達は大物、、だから酷評する。一方、やんぱぱ出演者達は、期待さえされていない代物・・だから我々は触れないのだ。マスコミの言うことを素直に受け取れば、そうとしか受け取れない。”期待はずれ”とこき下ろすことによって、期待されている人材であると、暗に認めてしまっている。マスコミの自己矛盾というか、自らはまったドツボというか・・はたから見ると滑稽である。