バーニング 5

しかし、女優の場合、”数字取れそうな企画、脚本のドラマに出る”・・ということより、”数字取れそうな企画、脚本に出られる男優のドラマにヒロイン役で出させてもらう”といった方法を取る方が手っ取り早い。つまりキムタクに代表される男優の信頼を勝ち取るということである。相手役として認めてもらう、名コンビ、相方、ペア、息の合ったヒロイン役・・・こういった実績、評価を積んで、相手男優の事務所、本人双方の信頼を勝ち取って、これからもドラマで一緒に出させてもらいやすいようにする・・・そういうことである。

相手役で最大の戦略的価値の高い座が、キムタクのような”数字の取れるドラマに出る力のある男優”との共演ならば、その所属事務所のジャニーズ所属男優は”ドラマ制覇への足がかり”である。ジャニーズ相手役を制する者は、ジャニーさんはじめ、ジャニーズ上層部の信頼を勝ち取って、いずれは、キムタクを制すことができる、キムタク制する者は、いずれドラマを制すことができるだろう・・この流れがただしければ、ジャニーズ共演者からの信頼は、いまのところ、計り知れない戦略的意味を持つ。

ところがバーニングは、またもやこれがボロボロなのである。スタアの恋僕だけのマドンナ等の、ジャニーズ共演ドラマによって、バーニングは、ジャニーズの信頼をいちじるしく失っているのだ、双方の責任のなすりあいで、足の引っ張り合いさえ起こしている。制作陣の、士気の低下などの影響も、はかり知れないものがある。

ところが、これがバーニング以外のマスコミに影響力の無い中堅、弱小事務所所属の女優であると、あっさりとジャニーズの信頼を勝ち取ることができるのだ。事務所が大手でも、マスコミ対策をあえて行わない事務所、あるいは同事務所内に男優が豊富で、ジャニーズとの関係に、必要以上に固執する必要の無い事務所であれば、同様である。ジャニーズにとっては、余計な打算の必要が無い、腹の探り合いを必要としない、気心しれた、安心して仕事のできる相手・・といったところか。

マスコミに影響力の無い中堅・・・というはフラームのことである。大手だがあえてマスコミ対策をしない・・というのはスターダスト、男優が豊富で・・・というのは研音のことである。かえって、こういった戦略をとる事務所のほうが、ジャニーズとの信頼を勝ち取りやすく、現在躍進がつづいている。バーニングは、ジャニーズ共演ドラマという価値ある分野で、駆逐されたも同然なのだ。

フラームは、数え切れないドラマで、堂本、草薙の両剛、松潤、滝沢などの若手との共演、木村拓哉ドラマのチョイ役をこなし、ジャニーズからの信頼は絶大である。現在草薙のドラマで、小雪と共に山口沙耶香がドラマで重要な役で出演しているが、信頼の現れであろう。スターダストも竹内、柴崎、山口智子はじめ信頼は厚い。研音は、身内だけでドラマ一つのキャストを全部固められるほど層が厚いので、この市場には積極的でないが、しかし信頼でいえばバーニングよりは遥かに上であろう。同様に、それ以外の事務所、たとえば松たか子を抱えるパパドゥ深田恭子を抱えるホリプロにしても、当然ながら、いままでの実績により、信頼にかけては、バーニングを遥かに凌駕している。


(製作中)