プロとアマチュアの違い

プロは結果のみ求められる。どんなにがんばっても結果がついていかないのならば一切評価されない。才能というのは、常人が一生努力してやっとたどりつけるか、あるいは一生やってもたどり着けないことをすこしの努力で、あるいは努力せずに、あっという間にできてしまうことをいう。当たり前の話だが。誰でも、他をすべて犠牲にしたり、年季をかけたり、努力しさえすれば、必ずそのくらい偉大なことができてしまうのなら、みんなやってしまうので、価値が無い。みんな、そこまでしてもなお、どうあがいても、イチローのようにヒットを打ったり、宇多田ヒカルのように歌えないからこそ、イチロー宇多田ヒカルのような人材は一人しかいなくて、希少価値があって、高額な金を世間から集めることができる。

だがそれがバカにはわからない、どれくらいがんばったかが、評価の対象になってしまえば、それはアマチュアだ。がんばってCD売りました。ロシア縦断して、合宿して、ボイトレして、何万枚売れなきゃ引退だとかライン決めて、苦労してつくったことをアピールして、あるいは自分そのものが苦労人だったということアピールして、だからあたしに同情してCD買って!これをやってしまったらプロではない。肝心の、作品の内容で勝負していない。視聴者、購買者は、はっきいって作者がどれくらい苦労したことなんかどうでもよい。何でプロなのにそこまで苦労しなきゃならないんだ。限界まで苦労してその程度か?それじゃあ、それ以上のレベルは、もう望めないではないか・・・とにかく作品がおもしろいかつまらないか、それしか興味が無い。もし低水準の作品でも、作者はがんばってこれ作ったんだから、それを買って自分は自己満足を得たのでいいんだ・・・・それでは、プロの作品、商品を買ったとはいえず、身内がでている素人のど自慢大会を観たり、町内会で演芸会を開催したり、自分の子供の学芸会、野球大会や運動会を見るのと同じ、あるいはアロマテラピーやエステで満足を得るといった、自己ヒーリングの一つ、精神療法の一環だろう。だがプロは身内や素人や子供ではないのだ。がんばったからといって過程が賞賛される、教育が必要とされる未熟者ではなく、ましてや同情の対象でもない。完成された人間でなければならないはずだ。”あんなこと”をしてまでしか売れない、客も買ってくれないのならば、それは、鑑賞に堪える作品、プロが作った作品に値しないと言うべきだ。

ホ○プロ

バーニングだけではなく、この事務所も岐路に立っている。バーと同様、今までの戦略が立ち行かなくなっているのだ。

彼らの戦略とは、バラエティー至上主義。つまりバラエティーの影響力は、ドラマや映画の影響力に勝る・・というテーゼである。頂点にいる、帯番組の司会者である紅白常連の人物のもと、その人物の交友関係、圧倒的な影響力の傘の下、バラエティーでのヨイショ、あるいは売名、顔売り、レギュラー獲得。毒舌キャラの活動によるライバル排除、身内の相互ヨイショ等、いろいろな活動を行ってきた。
伝統的な基本戦略は、この事務所のトップにいる人物が、まず、自社所属アイドル台頭の邪魔となる、対抗する勢力を殺害する(といっても、実際にナイフを携えて相手を殺しにいくわけではなく、”芸能人としての存在”を舌で傷つけ、殺すということ)それから、そのトップの圧倒的な力を傘にした、下っ端のブレイクを狙う自社アイドルが、怖いものなしの、腰ぎんちゃくの毒舌タレントとなり、一緒にその攻撃に加担し、邪魔なライバル勢力をまず排除し、地ならしを完全に終えた後、それから自分達のブレイクを狙う・・・という段階を踏む、逐次共同攻撃の体裁を取っていた。

バラエティー至上主義であるからして、まずそういう前段階を完全に踏まえた上で、はじめて演技、歌の畑の占領を狙う・・・物量の絶対優勢下、猛烈な砲爆撃で圧倒して、それから安全な占領を狙う、いわば旧米軍的な安全主義といったらいいだろうか。まあこれはバーニングも同じことで、大手の考えることは皆同じようなものなんだが・・・

つまりトップに芸能界の御意見番、その下に多くの”小御意見番”が居座っている、”全員御意見番システム”なのだが、勿論、バッシング、ヨイショ担当の、”他勢力の排除”に特化した、ご意見番専門=兵隊アリのような存在と、それらの兵隊に守られた、売り出される本命=占領された後に居座る本命、女王蜂予備軍のような存在に、アリと同様、いささか職務分化が見受けられる。

だがこんな”猛烈な地ならし”も、それが見方勢力=本命の女王蜂予備軍のブレイクに、効果が無ければどうしようもない、”兵隊”も、自分は毒舌ヨゴレキャラだの散々悪評たれながされて、自分に全く利にならない、自社とはいえ他人の利益になることばかりしかやらせてもらえないのだったら、士気もおちる。そして肝心の女王蜂予備軍が、そんな状態に嫌気がさして、気持ちが離れてしまえば大変なことになる・・・

しかし現在、芸能界のご意見番として、汚名、不評を一手に引き受けながら、それがマイナスになっていない人物は、トップのあの人しかいない。他の兵隊は、デメリットしかない。女王蜂予備軍も、実力勝負させてもらえない、担ぎ上げられた無菌室お姫様状態では、これから芸能界を生き残っていくことに不安になり、実力勝負しているアイドルという存在のほうに魅力を持ち、そういった格好の模範として、他の事務所の人たちに、交友、親交等、気持ちが移動していくことになる。誰とは言わないが、なんとなくわかるとは思う。

とにかく、猛烈な地ならし工作というものは、他の勢力の打撃に効果があっても、自身の能力の向上には全く寄与しない。したがって所属タレントの実力は伸びず、またそういう人材も集まらず、またあってもそれ以上育たず、いまさらお役御免となった”兵隊担当、お姫様担当”が、たとえば実力の要求される舞台女優等に転進したところで、生きのこっていけるわけが、ありはしないのである。そういった先輩達の不振を目の当たりにして、後輩達にも動揺が伝わるのは当然、そうなったら皆、今までの戦略が通用しなくなったと思いだし、事務所が崩壊し始めるのも、時間の問題だろう。

バーとホ○プロの共通点

この事務所の戦略はほとんど同一といってもいいのだが、ホ○プロが毒舌タレント、ご意見番といった生身の人間の舌をつかった直接的な攻撃であるのに大して、バー○ングの方は、マスコミ、評論家等を使った、じわじわとした、間接的な手法をとっているのが違うところだ。マスコミ記者は自社の人間ではないし、直接的な叩きとは違い、なんとなく持ち上げといて落とす、平行して自社タレントを比較して持ち上げる・・・といった、より陰湿というか、巧妙というか、スマートというか・・・

まあタレントと違って、記者、テレビ編集者は、大衆心理を知りつくしたプロなんだから、当たり前か・・・でも記者、編集者とはいえ、タレントと同じ一個の人間であるからして、根は同じ・・・と言うべきか。