バーニング その1


バーニングプロダクションは、所属の芸能人を強引に売り出し、仕事を増やし、その分増えた利益をタレントに回さず、相対的に、他の事務所より多く天引きして、その潤沢なマージンの増加分を、宣伝費、関係者への賄賂、スキャンダル対策等のマスコミ対策費、あるいは大名行列のような豊富な人件費にあて、そして、それを所属タレントの売り出しに使い、タレントの離脱を防ぐというサイクルを取っていた。所属タレントも、他事務所の同程度に売れているタレントに比べ、所得は低いが、そのぶんブレイクしやすく、他の事務所タレントと違ってマスコミつぶされにくく、また売れてからは所得面では不満足でも、反面、自分の虚栄心を満足させることができるので文句はいわなかった。しかし、現在、その傾向も変わりつつある。



現在、その戦略も破綻しつつあるからだ。今までのように、自分たちの営業利益から天引かれた金をつぎ込んでメディアで大宣伝しても、現在は、さっぱり売れなかったりし始めている。また、非バーニングのタレントの、似たようなバッシング記事に大衆が飽きはじめ、また、裏事情に詳しい掲示板の発達によりだまされにくくなっていることもあって、世間にバッシングの耐性ができてしまい、そういった非バーニングのライバルタレントがメディアにつぶされにくくなっている。今まで、こういった効果を最大限に利用してきたバーニングにとって、不利な状況になってきつつある。タレントも、やっても効果が無いのだから、そんな、無駄な売り出し費用や、ライバル叩きなんかに使わず、どうせなら、その分の金を給料でくれというわけである。

また、もう一つの憂うべき状況として、情報のグローバル化というものがあげられる。
バーニングのタレントは、他の事務所タレントに比べて、海外進出に遅れをとってしまっているのだ。
非バータレの、毒舌タレント、芸能レポーター、ワイドショー、マスコミ等のバッシング、逆にバータレの、それらのヨイショ、CM,バラエティー番組等の過剰露出、これらの効果はアジア等の国際シーンで全く効果がなく、バータレは、アジア市民に効果的にアピールができなくなってきている。
アジア市民は、日本語が読めず、日本の文字媒体、CM,バラエティーも、勿論ワイドショーなんか興味が無く、見ないので、そういったことで知名度を稼げないのだ。興味を示すものは、映画やドラマなどの映像作品、それも駄作ではなく、字幕を通してでも十分鑑賞に耐えられる作品のみである。そういった作品にでていないバータレにはきわめて不利な状況となっている。

だから、アジアシーンでの人気、評価は、マスコミイメージは悪いかも知れないが、それを払拭するに十分な、良質の映像作品に出演している、非バータレの独壇場になっている。こういった状況が逆に日本にフィードバックされ、国際的に通用する日本のタレントとして、非バータレが評価されてきつつある。こういった状況も、バーニング、バータレにとって”今まで、自分達がやってきたことは、なんだったんだ・・・・”と、危機感を募らせている原因になっている。

バーニング その2

バーニングは、ワイドショー、女性週刊誌、その他媒体の情報の洪水で、他のライバルタレントを圧倒する戦略をとっていたが、前述した要因により、その戦略が破綻しつつある。そのほかにも、原因としてあげられることがある。

バーニングがメインの宣伝媒体としているワイドショーを、見る、女性週刊誌を買って、読む、といった、購読層あるいは視聴者層、そして、さらにそれらに影響される層といったものは、全般的に見て低脳な人間が多く、所得水準の低い人間が大多数なのだ。そういった、知的レベルの低い人間達相手に、一生懸命アピールしたり、懸命にライバルを叩いたりしても、そういった人間は総じて社会の底辺層を形づくっていて、タダで見るCMやドラマには興味を示すが、お金を払うようなコンテンツに、関心をはらわないのだ。だからそういった媒体の出費をして、その効果で、好感度調査で上位にくる、知名度調査で上位にくるといった、間接的効果はあっても、金銭的な利益などといった、直接的な効果が現れないのだ。タダであるドラマやCMを見る人が多い・・というだけで、有料である、映画、舞台公演、販売DVDなどの、本格的な演技力や作品レベルを要求されるコンテンツの売上増加には、さしたる効果が無いというわけだ。今までならば、そういったタダの媒体でも、知名度、好感度アップにつながり、それが直接利益=有料コンテンツの売上増大に影響を与えた。しかし今は違う。

現在、不景気により、ヒマの増大、フトコロの減少・・といった傾向が、庶民にではじめてきていて、タダで見るものは、有り余っているヒマをつぶせりゃあ、それでもいいが、有料のものは、なけなしの金を払うので、作品のレベルにはシビアになる。だから、この二つは、全く違うものだ・・・・という認識が行き渡っているのだ。

一方、所得が低い層といっても、精神的充足を求めていて、高いレベルの文化作品に対して出費を惜しまない者も多く存在する。そういった者は、所得が低いといえども、高い文化レベルを維持していて、ワイドショー、大衆紙などの影響をほとんど受けないので、バーニングのターゲットとはなりえない。文化的出費に余裕のある高所得者と同様、バッシング記事、あやしげなヨイショに影響されず作品のレベルのみで、作品、タレントをチョイスする。
とにかく、バーニングは、大衆文化作品に対して、ヒマを払うが金を払わないといった層にしか、浸透していないわけだ。こんな層に浸透しても、所詮出演したCMの商品の売上増大(期待できるのは、買うとき、品質にシビアになり、CMごときでは購買に左右されない高級品ではなく、雑貨くらいだが)これも最近は不景気の影響により、安い品といえども、品質、安さが選択の第一で、CMごときでは売上を左右されなくなってきている。

とにかく、バーニングはこういった理由で、窮地に立っているということだ。他に、バーニングがターゲットにしやすそうな、理性的でない、流言飛語にだまされやすい層といったら、若者があげられる。しかし、いずれは、彼らも成長するにつれ賢明になってきて、そういったことにはだまされにくくなってくる。一時的には効果はある、若者にもいろいろいる・・・と言われれば確かにそうだが、若いうちから、そういったものに飛びつく、あるいは影響されやすい人間というものは、やはり同年代のほかの若者と比べて低脳な人間が多く、将来、大人になっても、文化作品に金を惜しまないような、所得水準、文化水準に達しているとはとても思えず、これも長期的な効果は期待できないのだ。

バーニング その3

バーニング凋落の原因のもう一つの理由に、タレントの実力は別として、そのタレントが人気を落とす最大の理由、逆に、人気を上げる最大の原因は何か?という分析を、誤ったことがあげられる。

いままで、前者の最大の要因はスキャンダルであるとされていた。後者はいろいろな要因が考えられるが、例として菊川を抱えるオスカー事務所は、前者から論理的に導いて”スキャンダルが無いこと”と結論を出した。総じてバーニングも同じような結論を出したが、平行して”それもそうだが、スキャンダルを払拭するくらいの、メディアの好イメージがあれば大丈夫”という、オスカーに比べて、やや攻めの姿勢の結論を出した。

思考実験にとどまらず、現実として、広末叩きによる彼女の人気低下で、それが実証されたかに思われた。

”これらは、バーニング、オスカー等の仕掛けではないのか、だからそんな現実の結果は実証されたとは言わないのではないのか?”という意見もみられたが(当たり前だ)その結論はひとまずおいといて、だからバーニングの結論は正しかったのかといわれれば、実はそうではないのだ。

広末が人気を維持しているから、バーニングの結論は間違っている・・・というわけではない、どのくらい人気が落ちたかという程度の差については、実際、バーニング、本人の事務所の影響力がどれくらいだったのかという、数値にしえない要因があるので、実際わからない問題であるので結論は出ないのだが、だが実際に広末はスキャンダルの類で、人気を落としているのは事実である。だがそれが最大の要因だったとはいえないのである。

実は、本人の実力を抜きにして、人気が落ちる最大の要因というのは、スキャンダルでもなく、飽きられたことでもなく、駄作への出演なのである。逆に、人気が出る最大の要因も、好感度でも、スキャンダルが無いことでもなく、傑作への出演なのである。

記者会見で泣こうが、無賃乗車しようが、そんなことは全く関係はなく、彼女が、同時期に、駄作のwasabi、駄作のできちゃった結婚に出演していた・・・・・ということが、彼女が人気を落とした最大の要因なのである。また逆に、視聴率、観客動員数に関係なく、出ていた作品が傑作であれば(あるいは傑作というイメージが高ければ)、どん底であろうが、いずれ人気はじわじわと持ち直してくる。”愛なんていらねえよ”等の一連のドラマ、映画”舞台の、”つかこうへいダブルス”が、まさにそうだったわけである。(演じた役のイメージが悪かった、演技が役に合わなかった、あるいは本人の演技そのものがダメだった、あるいはよかった・・これらの問題でさえ、さしたる問題では無い。あくまで、作品全般が駄作、傑作であるかが問題なのである。だから出ていた作品が駄作だったが、演技はよかったので人気が上がった・・・ということは、ありえない。その逆もしかり。”空から降る・・・”の深津絵里を見てみよ。逆に、”僕生き”で株を上げた矢田亜希子は・・・?彼女の演技どうだった?彼女の演技って、話題にのぼった?)


米倉の大河ドラマ、菊川、上戸のドラマ、その他多くの芸能人に、それが当てはまる。人気を落とした原因は、スキャンダルがでた、あるいは飽きられた、そんなことは関係なく、駄作に出演したから、あるいはその逆もしかり。それがすべてである。米倉を例に出すと、お通が役に合わなかった、お通の演技がまずかった、ましてや新之助とどうだこうだというのが原因でなく、彼女の出ていた武蔵が、駄作だった。こういうことである。他にも、いろいろと芸能人を当てはめて考えてみると、わかりやすいかもしれない。